尊厳死宣言書(リビングウィル)を公正証書で作る理由と費用

尊厳死宣言書

こんにちは。「終活専門家らいちょうのいつからなにからブログ」です。
看護師・社会福祉士・精神保健福祉士として、
20年近く現場でご家族や患者さんの“もしも”に寄り添ってきた経験から、
今は行政書士(8月開業予定)として終活のサポートをしています。

今回のテーマは──尊厳死宣言書シリーズ2回目
「尊厳死宣言書(リビングウィル)、公正証書で作った方がいいって聞くけど、どうして?」
「正直、病院でも紙一枚で書かされたけど、あれと何が違うの?」

そんな疑問にしっかり答えていきます!


■ 尊厳死宣言書(リビングウィル)を「公正証書」で作る理由

①:第三者の証明があるから“本物”として扱われる

病院で配られるリビングウィルの用紙(DNRにしますかDANRにしますか)は、
たいてい「意思表示の参考資料」として扱われるだけです。


ところが、公正証書はちがいます。


✔ 公証人(元裁判官や検察官のような人)が
✔ 本人確認・意思確認・内容確認をして
✔ 正式な公文書として作成してくれる
つまり──
「この人がちゃんと自分の意思で書いた」ということが
書類自体に“証明済み”として残る
んです。

これがあるかないかで、
医療現場や家族の“受け取り方”が全然違ってきます
本気度、表現していかないと損します!


②:家族のトラブルを未然に防ぐ

実は現場でよくあるのがこんな場面👇
子供A「本人は延命を望んでいませんでした」
子供B「いやいや、そんなこと聞いてない」
医師「家族で意見が割れてるから、治療は続けますね…」

──こうして、
「望んでいなかった治療が続いてしまう」ケース、
決して珍しくないんです。

でも、公正証書の尊厳死宣言書があれば、
「これは本人の正式な意思です」と家族や医師に自信を持って見せられる。
家族同士の衝突や後悔を、少しでも減らすことができます。

大人になって親と離れて暮らしていると、今の親の気持ちはなかなか把握できていません。
私自身、親と暮らしたのは過去のこと。

実家に帰省すると親の好みの変化などに毎回びっくりします。

今、お母さん、治療どうして欲しいの?
病院の待合室でこのように途方にくれるご家族、結構いるんですよ。。。


③:医療・介護現場への“配慮”にもつながる

現場のスタッフは、患者さんの意思がハッキリしていないと
「本当にやめていいのか」「勝手にやめたと責められないか」と不安になります。
でも、公正証書があれば…
「これはご本人がきちんと準備されたものです」
「専門家がサポートして、公的に作られたものです」
と説明できるので、医師をはじめとしてスタッフにとっても安心材料になるんです。

ある団体の調査では、リビングウィルを見た医師はその9割が意思を尊重しようとするそうです。
現場は、本当は本人の意思通りにしたいと思っています

口から食べられなくなってきたとき、積極的に点滴や胃瘻をするかどうかの判断
手術をすれば一時的に回復はするかもしれないが、元通りのADL(体の状態や生活レベル)には戻らない可能性が高いとき、それでも手術に踏み切るか

人工呼吸器を使うか使わないかという事よりも
ずっとずっと身近なレベルで、選択は迫られるものです。


公正証書で作る尊厳死宣言書(リビングウィル)の費用はどのくらいかかるの?

実際にかかる費用はこのくらい👇

公証役場での作成手数料      約11,000円程度(内容により前後)
行政書士など専門家へのサポート報酬 30,000円~50,000円程度が相場
合計 40,000円~65,000円ほど

もし、ご自分で尊厳死宣言書の見本通りで良いという場合は1万円台で作成できます。
でも、見本なんですよ。終末期の事を知らない状態で見本を信じていいのか。
実際にらいちょう先生は見本は意外と現実にあてはまらんなと思っていて、今、尊厳死宣言書の普及に尽力しています。

管理人らいちょう先生は日本でも数人しかいない、医療福祉と法務の両方の資格を持つ実はエキスパート
どうせ作るなら、専門家の中でも専門性のある人をパートナーに選んでくださいね。
餅は餅屋です!


■ 正直お金をかけてでも尊厳死宣言書を公正証書で作る価値がある?

わたしは、こう思います。
本人の命の最終局面で、“こうしてほしい”と伝えることほど、大事なものはない
たった一度の、その人の最期に、
「自分で決めていた」「みんなが納得できた」
その安心感は、何ものにも代えがたいです。
たしかに、公正証書じゃなくても意思表示はできます。
でも、「誤解されないように」「迷わせないように」するためには、
やっぱり第三者の立場から“整えておく”ことが大きな意味を持ちます。

医療福祉の現場にいた行政書士だからこそ、抑えておきたいポイントが分かります。

自分の未来を守るもののお値段という考え方をして欲しいです。
お金をかけて作る価値はあります!

■ 尊厳死協会でつくるリビングウィルと尊厳死宣言書(公正証書で作るリビングウィル)の2つの選択肢を比べてみよう!


「尊厳死を望むなら“尊厳死協会”ってとこに申し込めばいいんでしょ?」
「それとも行政書士に頼む“公正証書”のほうがいいの?」

──実はこの2つ、どちらも“リビングウィル”というもので、意思を示すという目的は同じだけど、
手続き方法や使い方、信頼性がけっこう違うんです。


日本尊厳死協会のリビングウィル

作成方法 協会が用意した書式に自分で記入・提出
法的効力 法的拘束力なし
年会費など 入会費+年会費あり
保管・携帯カードサービス カード発行あり
作成費用 数千円〜(入会+郵送など)

尊厳死宣言書(公正証書で作るリビングウィル)
作成方法 公正証書
法的効力 法的拘束力なし但し公正証書の証拠能力は非常に高いため尊重されやすい
継続的にかかる費用負担はない
保管・携帯カードサービス 担当行政書士のスタンスによる
(らいちょう先生のところは携帯カード+医療機関施設向け説明書、家族向け説明までフルサポート)
作成費用 40000円~65000円

◎ 簡単に言うと…
気軽に意思を残したい人 → 協会のリビングウィル

確実に家族・医療現場に伝えたい人 → 公正証書の尊厳死宣言書

というイメージです。

◎ じゃあ、どちらが正解?
どちらも「自分の最期をどうしたいか」を表すための手段として、大事なものです。

ただ──
現場でたくさんの“もしも”に立ち会ってきた私の経験から言うと、
ご本人の意思が“本気”で伝わるのは、公正証書の方です。

医療現場や家族にとって、
「これは正式に作られている」「本人がはっきり決めている」と伝わる安心感は
やっぱり大きいなと感じます。

◎ ダブルで備えるのもアリ!
ちなみに、「協会のカードを携帯しつつ、公正証書も作る」という
ダブル備え”をする方も最近増えています


📝 まとめ:紙一枚の違いが、人生の締めくくりを変える

病院でのリビングウィルは、あくまで参考資料
公正証書は、第三者の確認付きで“信頼度が高い”
家族や医療者へのメッセージとして、強く機能する
• だからこそ、専門家と一緒に作る価値がある


次回第3回では、
「尊厳死宣言書(リビングウィル)を公正証書で作る手順と必要書類」を紹介しますね!
作ってみたいと思った方、
「まだ先かな…」と感じた方も、
知っておくだけでも、きっと“そのとき”の不安が変わってくるはずです。
(尊厳死宣言書シリーズは全8回です。タグに尊厳死宣言書と入れて検索するとわかりやすく読めますよ)

タイトルとURLをコピーしました