看護師・社会福祉士・精神保健福祉士として、20年近く医療福祉現場で患者さんやご家族の“もしも”に寄り添ってきた経験から、今は行政書士として終活のサポートをしています。
実は稀少なエキスパートです💪
今日は、私自身も取得している「社会福祉士」と「行政書士」のダブルライセンスについて、独立開業や副業を考えている方に向けてご紹介します。
この記事では行政書士業務の中で、主に市民法務に焦点を当てて社会福祉士資格と比べていきますのでその点をご了承ください。
✅ 社会福祉士と行政書士、資格の特徴
社会福祉士は、福祉サービスに関する相談支援や、利用者の権利擁護などに携わる国家資格です。
主に福祉施設や病院、行政機関に勤務することが多く、相談援助職の代表格でもあります。
一方で、行政書士は、官公署に提出する書類の作成や手続きを代行したり、法務に関する書面作成業務を行う「まちの法律家」として知られています。
福祉分野に限らず取り扱い業務は幅広いです。
両者とも「困りごとを解決する何でも屋」という点では似ていますね。
余談ですが、ケアマネジャー×行政書士のダブルライセンスの方もいます。
ケアマネ業務ってあまり現場でも何をするか知られていなくて、
社会福祉士よりさらに「福祉業界の何でも屋」としてご苦労されています(T-T)
が、、、それって成年後見業務とかぶっているよね!?という内容が多々あるので
ケアマネ出身行政書士は成年後見業務と相性いいと思います!
✅ 試験の難易度とダブルライセンス取得の現実
どちらも国家資格ですが、難易度は行政書士の方が高いです。
ただ、社会福祉士は誰でも受験できず、場合によっては実習も必要で一概に比較は出来ないですね。
社会福祉士:主に大学や養成校で所定の課程を修了して受験資格が得られます。合格率は例年30%前後。
行政書士:誰でも受験可能。法律の専門知識が必要で、合格率は10~15%ほど。
どちらか一方を取得してからもう一方を目指す場合、「人の支援に法的側面を加えたい」という明確な動機がある人がほとんどです。
私の周囲では社会福祉士を先に所持していて行政書士を追加する人の方が多いような気がします。
逆の順番で取得を目指している方はSNSでは見かけたことがありますが周囲にはいません。
そもそも、どちらも取得が難しい資格です。
✅ 行政書士 × 社会福祉士の独立型事務所開業について
この2つの資格を活かして独立する場合、「福祉法務事務所」という名前にして行政書士事務所を開業する先生がいます。
この名称からもわかるように、社会福祉士資格所持者は自分の扱う分野に誇りと意地を持っています。
行政書士は取り扱い業務が広い中で、あえて特化してくる意気込み。
自己研鑽や知識量も半端ではない。
特に、成年後見業務との親和性が高いのは大きな特徴と言えると思います。
社会福祉士単体でも成年後見人として家庭裁判所に選任されますが
「ぱあとなあ」に登録するには、登録までにおおむね4年程度かかるのが一般的です。
さらに他より厳しい報告義務などがあります。
独立型社会福祉士として成年後見業務をしている方もいますが、
行政書士とのダブルライセンスの方が契約書作成や死後事務委任契約、財産管理委任契約などを扱えるため、より実効性あるサポートが可能になります。
行政書士の場合、考査に合格すれば「コスモス」登録まで半年です。
だから成年後見をやりたいと思った人は行政書士を目指すのかなと思う節もありますね。
あと、収入面で行政書士は遺言や相続などの付加価値を提供出来るのでその分、報酬を頂くことが可能です。
富山県内にも数人いらっしゃいますよ、ダブルライセンス。
(5人まではいないです)
面白くって、自分で介護事業所をやりながらケアマネ・社会福祉士・行政書士という一人軍隊の先生もいます。
ダブルライセンスをとることで、まだ見ないような働き方を創造出来るなあと感動\(^o^)/
もう一つ、障害者福祉施設の立ち上げをメイン業務にしている先生もいます。
複雑な算定基準、しかも、改定もある。
現場は常に人手不足で、一口に障害と言っても特性が様々であるなどの苦労を理解できるのは
やはり現場出身者だからなのかもしれません。
なお、高齢者のデイサービスや訪問介護の許認可申請は社会保険労務士の専門分野なので業際問題回避のため行政書士単独では取り扱いできません。
行政書士×社会福祉士でダブルワークも可能です。
社会福祉士として福祉施設などに勤務しながら、行政書士業務を行っている先生もいます。
ただ、成年後見業務は緊急事態への駆けつけがあるので施設に所属する場合は調整が難しい側面も。
✅ まとめ:社会福祉士と行政書士、現場と制度の懸け橋に
社会福祉士として“人の声”を聴いてきた経験があるからこそ、
行政書士として“制度や法律で守る”力は大きな価値になります。
社会福祉士出身者の相談援助能力、行政書士業界でも求められていると思います。
このダブルライセンスは決して派手ではありませんが、面白いと思います!
福祉系行政書士で情報交換会や飲み会をするのも夢ですね。