はじめに
シニア起業シリーズ第2回目
定年を迎えると「これからの時間をどう過ごそうか」と考える方が増えてきます。富山でも、小さな喫茶店を始めたり、趣味を仕事にしたりと、定年後に「第二の人生」として起業を選ぶ方が年々増えています。
ただ、実際に起業するとなると「どんな流れで準備すればいいのか分からない」という不安の声をよく耳にします。
この記事では、60歳、65歳からのシニア起業を目指す方に向けて、定年後に起業する際の流れを順を追って解説します。
1. 事業アイデアを考える
まずは「何をやるか」を明確にすることから始まります。シニア起業の場合、長年の仕事で培った経験や人脈、また趣味や特技を活かすケースが多く見られます。
地域のニーズに合致したアイデアを選ぶことが大切です。例えば、喫茶店や小料理屋といった飲食業、農産物直売やクラフト教室といった趣味型の事業などが代表例です。
※具体的な事業アイデア集は、別記事『趣味を活かす!定年後の小さな起業アイデア10選』で紹介します。
2. 事業計画を作る
次に必要なのが「事業計画書」の作成です。事業計画には、
- どのような商品・サービスを提供するのか
- 顧客は誰なのか
- どのくらいの売上・経費を見込むのか
を明確にします。特に60代からの起業では「長期的に無理なく続けられる計画」であることが重要です。
また、融資や補助金を利用する場合、事業計画書は必ず求められる資料となります。
創業時はつい夢は大きくなるもの、シニア起業でも同じですね。
でも、自分の人生の残り時間の配分とは真摯に向き合い、無理しないことが長く楽しむコツです。
3. 資金調達
定年後の起業では、退職金を元手にする方も多いですが、すべてを事業に投資するのはリスクが高いといえます。自己資金に加え、融資や補助金を組み合わせて資金を確保するのが現実的です。
利用できる制度の例:
- 日本政策金融公庫のシニア向け創業融資
- 富山県内や市町村の制度融資
- 小規模事業者持続化補助金
※資金の調達方法や補助金の詳細は、別記事『定年後起業とお金|退職金・融資・補助金の基礎知識』で解説します。
4. 許認可手続き
事業の種類によっては、開業前に行政の許認可が必要です。
- 飲食業 → 飲食店営業許可(保健所)
- 介護サービス → 介護保険事業所指定申請(県・市町村)
- 運送業 → 一般貨物自動車運送事業許可(国交省)
シニア起業で多い飲食業の場合、厨房設備や衛生基準の確認、消防法に基づく設備対応が必要になる場合があります。
※飲食店に特化した流れは、別記事『定年後に飲食店を始めたい人へ|必要な許可と準備』で詳しく説明します。
5. 開業届・法人設立
最後に、事業を正式に開始するための届出を行います。
- 個人事業主の場合:税務署に「開業届」を提出
- 法人化する場合:合同会社や株式会社の設立登記を行う
60代からの起業では「小規模であれば個人事業主として始め、必要に応じて法人化する」流れを選ぶ方が多いです。法人化には社会的信用や節税面のメリットもありますが、維持コストがかかるため、事業規模や目的に応じて選択するのが望ましいです。
最近は合同会社が人気です。事業形態に応じて個人事業が向いている場合と不動産賃貸業のように合同会社化が相続の生前対策を含めて有利な場合もあります。
まとめ
定年後の起業は、大きな投資や急な拡大を目指す必要はありません。小さな一歩を踏み出し、無理のない計画で進めることが成功のカギになります。
「やってみたい」という気持ちを大切にしながら、計画的に準備を進めることで、第二の人生を充実させる道が開けます。行政書士として、事業計画や許認可、資金調達などの手続き面をしっかりサポートしていますので、安心してご相談ください。
富山で安心して第二の人生を始めたい方へ
行政書士らいちょう事務所では、シニア世代の起業を法務・手続き・融資支援の面からサポートしています。
代表者は看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、ケアマネ、行政書士という珍しい資格者。
高齢期に起きる心や体の変化にも詳しいので、生活を守りながら事業をするという視点を重要視しています。
対応エリア
行政書士らいちょう事務所では、富山県全域でシニア起業支援を行っています。
対応地域:富山市・高岡市・魚津市・氷見市・滑川市・黒部市・砺波市・小矢部市・南砺市・射水市・舟橋村・上市町・立山町・入善町・朝日町

