富山のパートナーシップ制度|メリット・デメリットと「できる/できない」ガイド

SOGI

ここ数年で急激に全国の自治体に広がった「パートナーシップ制度」
富山県では「富山県パートナーシップ宣誓制度」として制度があります。

本記事では、制度の概要、最新データ、富山県の制度の特徴、メリット・デメリット、できること/できないこと例示して簡単に説明しています。

1. パートナーシップ制度とは

パートナーシップ制度とは、同性カップルや事実婚カップルが「生活を共にするパートナー」であることを自治体から証明してもらう仕組みです。

生活上の困難の解消を目指すものであり、関係性の安定と社会からの承認をもたらす機能があります。ただ、あくまで各自治体の条例や要綱に根拠を置くため婚姻と同等の法律効果を生じさせない点には注意が必要です。

パートナーシップ制度は2015年に東京都渋谷区で始まり、全国へ広がりました。

2025年5月末時点での導入自治体は530自治体、人口カバー率は92.5%、登録件数は9,836組にのぼります(渋谷区・虹色ダイバーシティ調査)。

これ、2023年は328自治体、登録件数5171組だったんです。
ここ2年程度でかなり網羅されてきた印象です。

2. 富山のパートナーシップ宣誓制度

富山県では2023年3月1日から県独自のパートナーシップ宣誓制度を導入しています。
成年で未婚、県内在住または転入予定であることなどを条件に、県が宣誓受領証を交付します。

この制度により、県営・市営住宅への入居申込や、県内の協力医療機関における面会・病状説明などで関係性が尊重されやすくなっています。

こちらが富山県パートナーシップ宣誓制度のページです。

富山県パートナーシップ宣誓制度について

富山県のパートナーシップ宣誓書には子の記載欄があることが特徴で、ファミリーシップ制度を兼ねたような設計になっています。

3. パートナーシップ制度のメリット

一言で言えば、民間や行政のサービスが受けやすくなるのがメリットです。
法律で結婚している人に付与される一部のサービスが受けられます。

また、いちいちはじめから説明しなくても良いのは当事者にとっては嬉しい点だと思います。

4. パートナーシップ制度のデメリット

  • 法的拘束力がない:相続や税制優遇、親権など、法律婚に付随する権利は得られない。
  • 引っ越すと効果がなくなる:制度は自治体ごとに運営されているため、他地域に転居すると再度手続きが必要になる。連携もされているのですが、富山県は茨城県とだけ。
    他の都道府県に引っ越したらやり直しなんて面倒くさい限りです。
  • 費用がかかる自治体もある:要件に公正証書での任意後見契約が定められている自治体があり無料ではない場合もある。(富山県は基本的に住民票と戸籍があればいいので1000円以下で参加できます。

一言にパートナーシップ制度と言っても、全国で要件も厳しさも全然違うローカル色の強い制度なんです。

公正証書に基づいて当事者間の契約関係を役所が証明する契約型、当事者が関係性を役所で宣誓する宣誓型、更に登録簿に載せる登録型(宣誓型の亜種です)他、選択型、複合型など。

取り越し苦労であって欲しいですが、アウティングを100%防ぐことは難しいと考えております。
手に取りやすいカジュアルさが悪い方向に行かないよう、富山県は制度周知や性多様性理解促進に努めて欲しいですね。

5. パートナーシップ制度でできること(例)

  • 県営・市営住宅の入居申込がパートナーという立場でできる
  • 医療機関で面会や病状説明がスムーズになる(協力医療機関に限られる)。
  • 携帯の家族割引が受けられる
  • 生命保険金の受取人になれる

ざっくり言うと、家族ならできたことを、一部できるようにする。という事です。

パートナーシップに理解がある民間企業や医療機関が県の資料には示されていますが
掲載先が少ない!少ないの一言に尽きます。
あと、どんな配慮がなされているかを各企業が掲示するような努力義務もないので
一体どんな面でパートナーシップ宣誓書の効果があるのかいまいちわかりにくいです。

6. パートナーシップ制度でできないこと(例)

  • 相続権や遺留分の取得。
  • 配偶者控除や相続税軽減などの税制優遇。
  • 共同親権・養子縁組における親権の共有。
  • 成年後見制度の申立て権限。
  • 民法上の「同居・協力扶助義務」やDV防止法の適用。

つまり、パートナーシップ制度は「関係性を社会的に承認する」仕組みではあるものの、婚姻の代替にはならないことに注意が必要です。

こちらに関しては詳しく解説しておりますのでこちらを参照ください。

まとめ

富山のパートナーシップ宣誓制度は、同性カップルが安心して暮らすための大切な一歩です。
しかし、法的拘束力はないのでタイミングを見てより強力に自分たちを守る仕組みを作る必要があるでしょう。

らいちょう先生もアライの立場からご相談に乗っております。
行政書士は行政書士法で守秘義務を課せられているためプライバシーは保護されます。

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